御守り

珍しくイルカとカカシが揃って任務につく事になった日の前日、二人は卓袱台を挟んで正座していた。

「カカシ先生、俺たちは忍、いつなんどき命を落とすかもしれない身です」

「普通に生活してても、運が悪ければ食中毒で昇天しますが」

イルカは無視して話を進めた。

「御守り用意したんで、持っていてください」

「安産祈願ですか?」

「妖怪でも産み落としてみやがれ」

イルカはそっと、卓袱台の上にキーホルダーを置いた。鈴が付いた、金色のカッパのフィギュアに見えなくもない一品である。

「御守りというか、人払いの結界でも張れそうな物体ですね」

「幸運を招く御守りだそうです。鈴は邪気を払ってくれる効果があるとかないとか」

カカシは御守りを見つめた。

「今回の任務で戦うことはないと思いますが、そうなった場合、鈴はマズいですよね」

「肌身離さず持っておいてください」

「高確率で狙われますよね」

「逆手に取ってください。敵を自分の周りに密集させたところで、ボンッ……みたいな」

「今のは自爆音ですか?」

「想像力豊かですね」

「この御守りを持つことで、守られるものが何一つ思い付かないんですが」

「俺が守られます」

「人身御供というわけですね」

「カカシ先生が俺の御守りだった、というオチでいかがでしょう」

「とりあえず殴りたいです」

「とりあえず拒否します」

明日は任務なので、程々に殴りあった二人のお話。


2009.5.23

 

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