正義

「戦隊ものでも始めてみましょうか」

神妙な顔つきでイルカが言ってきたので、カカシは無視してみた。

「とう!」

体当たりされた。

「何するんですか」

「教育的指導です。聞こえているのに無視するとは何事ですか。人として大切なものを見失っていますよ」

「急に真面目になりましたね」

「俺はいつでも大真面目です」

「あら、タチの悪い」

「あら、腹立たしい」

二人は微笑みながら睨み合う。

「この空気を打破すべく、お互い逆の立場になってみましょう。イルカ先生、俺、戦隊くんでみようと思うんですが」

「暑さで頭やられましたか?」

「怒れば良いのか、自覚してた事に安心すべきか、自覚しながらワザワザ話振ってきた事に意見すべきか悩ませてくれますね。っつーか頭わいてんですか?」

「普通に失礼ですね」

「今までのあなたの発言に失礼がなかったみたいじゃないですか」

「言葉の暴力ですよ?」

「自分を振り返るのも大切ですよ?」

イルカは目を閉じた。しばらくしてカッと見開かれる。

「お互い様!」

「まったくな」

「でも最初に無視したカカシ先生は極悪です」

「頭わいてるのかと問えばよろしかったんですか?」

「潰すぞ上忍。言葉の暴力だと言ってるでしょうが」

「かかってこいや中忍。自分振り返ったの一瞬でしたね」

二人は構えた。

「食らえ、正義の拳!」

飛び掛かるイルカ。

「正義は我にあり!」

応戦するカカシ。

これは、人間年食っても本質は変わるもんじゃないよね、というお話。


2007.07.18

 

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