懐かしき夢

「うわぁ懐かしい」

イルカが掃除をしている最中に声を上げた。

「何見つけたんです?」

つき合わされているカカシは、イルカの肩越しにそれを覗き込んだが隠されてしまった。ノートらしきものが少しだけ見える。

「何で隠すんです?」

「幼少の頃の秘密がいっぱいだったら恥ずかしいじゃないですか」

「あんたにも恥ずかしいもん、あったんですか」

「ポエム書いてあったらどうするんですか!」

「知りませんよ。っつーか書いたのかよ、ポエム」

「書いた覚えはありません。というより、何書いたかまったく記憶にありません」

「懐かしいって言ってたくせに」

「ノートには見覚えがありますんで」

「この際だから見ましょうよ」

「まぁポエム書いてあったらあったで面白いですしね」

それは見たくないなぁと思いながら、カカシは開いたノートの文字を読んだ。

『ミミズになりたい』

文章はそれだけだった。

イルカは真顔でカカシを見る。

「俺、アホかもしれません」

「アホだよ」

二人は静かに掃除を再開したそうな。


2006.02.02

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