驚き
「驚かすのはやめてください」 イルカに何度そう怒られたことか。 それでもカカシは今日もこりずにイルカの姿を探していた。 任務が予定より早く終わり、いきなり姿を見せたらびっくりするだろうな、などと足取りは軽い。 「イルカなら昼食ですよ」 受付で教えてもらったのでイルカの行きそうな場所を探す。 外のベンチにはいない。弁当ではないようだ。それなら食堂だ。 カカシは入り口から中をそっと見る。 ターゲット確認。 発見されないように静かに背後に立つ。 「イルカ先生!」 ガバリと抱きついた。 イルカが振り向く。 真顔で、ちょっと口が半開きだ。 カカシは目を見開いてイルカを見ていた。 イルカもカカシを見ていた。 イルカの鼻から伸びた二本のうどんがブラブラ揺れていた。 どこまでも表情は真剣だった。 「もうしません」 「よろしい」 イルカはハンカチを取り出して鼻をかむと、ゴミ箱に力いっぱい投げ捨てた。 2005.12.27 |