白髪
「カカシ先生、髪の毛抜いて良いですか?」 「いいわけあるか!」 「訂正、白髪ありますよ。抜いて良いですか?」 「えっ本当ですか? 俺も年ですねぇ。お願いします」 「白髪を抜くと増えるそうです」 「それなら抜くなよ! 眉唾もんでも気分が悪い!」 「眉唾かどうかを知りたくて」 「俺で実験するな!」 「被験者があなたしかいないんだから、しょうがないでしょう!?」 「しょうがないの意味が分からん! もっともらしく声を荒げんでください」 「それでは、俺の知的好奇心を満たすために、犠牲になってください」 「犠牲なんて物騒なこと言われて『はいどうぞ』なんて言えるかー!」 「言えないんですか!?」 「なんでちょっと驚いてんですか!?」 「俺の予想では『仕方がないですね』って言ってくれるはずだったのに」 「言ってたまるか! ってか、俺銀髪なのに、よく白髪見つけられましたね」 「違いの分かる男ですから」 「使いどころ間違ってますよ」 「見間違いかもしれませんが」 「俺の毛根を狙うな!」 「いえいえ、毛根までお亡くなりになるかは、抜いてからのお楽しみ」 「楽しみが欠片もねぇよ!」 「あんたが楽しくなくても俺が楽しいんです」 「どこまで自由気ままなんだ、あんた!」 この日からしばらく、危険を感じて自宅に帰って寝る上忍の姿があったとかなかったとか。 2005.11.29
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