起床

カカシ先生が起きない。

別に休みだから良いんだが、目が覚めてしまった俺的には暇なので全然良くない。

というわけで、俺──うみのイルカはカカシ先生を起こしてみようと思う。

「カカシ先生、朝ですよ」

揺さ振ってみたが、まったく無駄だったようだ。

「カカシ先生、朝ですよ」

毛抜きで髭を2・3本抜いてみる。短すぎて摘むのに苦労した。

痛かったからだろう。カカシ先生は一瞬面白い顔をしたが、すぐにまた寝息をたて始めてしまった。ちょっと血が滲んでいる。後で謝ろう。

「カカシ先生、朝ですよ」

俺はカカシ先生の腕を掴み、脇にライターの火を近付けた。

脇毛がすごい勢いで燃えた。

「なにやっとんじゃー!」

火を消しながらカカシ先生が怒鳴る。

「おはようございます」

「冷静に朝の挨拶しとる場合か!」

「暇だったんで」

「普通に起こさんか!」

「なんか臭いですね」

「言いたい事はそれだけかー!」

「テンション高いですね」

殴られた。

どうやら、この起こし方はお気に召さなかったようだ。

次はどうやって起こしてやろうか。

いろいろ考えていたのに、カカシ先生は俺より早く起きて、朝食まで作ってくれるようになってしまった。

「ゆっくり寝てて良いのに」

「お断りです」

ちょっと残念である。


2005.09.06

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