指相撲
暇なので男二人で指相撲する事にした。 「俺達何してんでしょうね」 イルカが呟く。 「正気に返らない方がいいですよ……四、五、六」 「うおぉぉぉぉ!」 イルカの指が恐ろしい程の抵抗の末、逃れる。 「危ねぇ危ねぇ」 「結構真剣じゃないですか。んじゃ、負けたら酒の買出しという事で」 「この勝負、負けるわけにはいかねぇ」 イルカの指がクネクネとカカシを誘う。 「指相撲で何カッコイイ台詞吐いてんですか」 カカシは誘いに乗らず、自分のペースを保っていた。 「カカシ先生、俺が負けたら付いてきてくださいね」 「行かねぇよ」 「夜道でマニアに襲われたら怖いじゃないですか」 「襲われません」 「マニアが」 「いねぇ!」 「根の深いマニアが!」 イルカの目は指ではなく、カカシを捉えていた。 「お望みどおり襲ってあげましょうか?」 「試合放棄とみなし、買出しに行ってもらいますよ?」 「っつーか、もう二人で買出し行きましょうか」 カカシの手が緩んだ。すかさず押さえるイルカ。 「……九、十」 静かな室内にイルカの声だけが響く。 「っつーか、もう二人で買出し行きましょうか」 繰り返すカカシにイルカは首を振り、「面倒だから嫌」と言った。 「行こうよ、二人で!」 「負け犬の言葉に貸す耳は持ち合わせてないわ!」 「指相撲ごときで負け犬よばわり!?」 そしてイルカは襲われた。 枕に突っ伏しているイルカを置いて、試合に負けたが勝負に勝ったカカシが、どこか満足げに買出しに出た事を知る者はいない。 2005.04.27 |