写真

「カカシ先生、カメラ貰ったんですよ」

「へぇ、良かったじゃないですか」

「なので……」

イルカは言いにくそうにチラチラとカカシを見ながら、思い切って口にした。

「カカシ先生の写真撮って良いですか?」

「忍が写真って……」

普通は断わるだろう。だって、忍だし。

「やっぱり駄目ですかね」

イルカが肩を落とす。

「カカシ先生の写真、いつも持ち歩いていたかったのに」

ポツリと呟いた言葉に、カカシは照れくさそうに「良いですよ」と答えた。

イルカはパッと表情を明るくして、バーコードハゲのヅラを手渡した。

「あんたは俺の何が撮りたいんですか?」

こめかみにデコピン一発。

「ぎゃあ、地味に痛い! 何するんですか!?」

「そんな写真持ち歩かれる俺の身にもなれ!」

「顔隠してる写真は嫌だったんで、とりあえず素顔でもカカシ先生とバレないようにヅラをと思いまして」

「もっとアイテム選べよ」

「それじゃあ……」

イルカは黒ブチの眼鏡を手渡した。

「はい、萌えアイテム」

「マトモな物だと一瞬考えた俺がバカでした」

「眼鏡は普通でしょうが」

「眼鏡は……ね」

「それじゃあ早く装着してください。あと、ずり落ち気味で、上目遣いで!」

「あぁ……もうどうでも良いよ」

カカシは脱力しながら言われた通りにした。

イルカがカメラを構える。そしてポツリと一言。

「激写魂燃えないな」

「本当にあんたは何が撮りたいんだ!?」

叫ぶカカシを無視して、イルカは右手を口に当てて考え込み始めた。

「猫耳に興味はないし、これ以上のアイテムはちょっと難しいな」

「眼鏡一点に集中しているあたりに、あんたの根の深さを感じますよ」

そんなセリフをさらに無視し、イルカはハッと顔を上げた。

「猫と戯れる無邪気なカカシ先生を!」

「犬しかいません」

「乳を寄せて谷間を強調してください!」

「乳なんて、ねぇよ」

「人体発火してください!」

「無茶言うな!」

「何で俺に面白い写真を撮らせてくれないんですか!?」

「趣旨が変わっとるわ!!」

そして目的は忘却の彼方へ……


2005.01.13

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