家族計画

両親と手をつないで楽しそうに買い物をする少女を眺める男が一人。

その肩に手を置き、カカシが言った。

「ロリコンよりホモの方がマシです」

「ギリギリアウトな発言やめい!」

言葉と同時に右ストレートがきまった。

「それじゃあ、何で幼女を眺めてたんですか?」

「幼女言うな」

イルカは気を取り直し「仲の良い家族って良いなと思いまして」と説明した。

 

──と言うわけで、今から俺達仲良し家族です」

カカシとイルカ、そして紅にアスマがちゃぶ台を囲んで神妙な顔をしている。

「メンツがおかしいでしょうに」

「何でままごとに付き合わにゃならんのだ」

呼ばれた二人が口々に不満を漏らす。

「はたけカカシと暇で愉快な仲間達だから」

二人の肘がカカシを攻撃する。カカシはヒラリとそれを避けると、イルカの背に隠れた。

「お兄ちゃん、お父さんとお母さんが俺に暴力を!」

「いきなり芝居始まっちゃいましたが、どうしましょう」

イルカは冷静に尋ねた。

「ガタイのデカい弟できて良かったな」

「兄弟は大切にしなさいね」

立ち去ろうとする二人に舌打し、イルカは悲しそうな表情でカカシに言った。

「カカシ、お父さんとお母さんが俺達を置いて出て行こうとしているぞ」

「裏切りやがったな!」

カカシに捕まったアスマが叫ぶ。

「いやだなぁ、先に裏切ったのはアスマ先生ですよ?」

クククと笑うイルカを見て、紅がバンとちゃぶ台を叩いた。

ハッとするイルカに紅が言う。

「イルカ、いつもお父さんと呼びなさいって言ってるでしょう!?」

「何でこの人、こんなにノリノリなんですか!?」

「俺が知るかー!」

「っというわけで、母は夕飯の買い物に行ってきます」

「カカシ、お母さんが買い物に行くそうだぞ。荷物持ちにお前も行け」

「は〜い」

「アスマァァァァ!」

「うるせぇ! お前だけ逃がすか!」

夫婦喧嘩を始めた二人を見ながら、カカシは満面の笑みで尋ねた。

「お兄ちゃん、楽しいですか?」

「お兄ちゃん言うな」

あぁ、これからは発言に気をつけよう。

イルカは微笑みながら、心に誓ったのだった。


2005.01.04

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