日記

イルカは日記帳の一ページ目を開き、日付を記入した。

『本日の天気・晴

帰り道でカカシ先生を見た。

人通りのない小道でネコと戦っていたので、どうしようかと思ったが、とりあえず静観する事にした。

カカシ先生は何のために戦っているのだろう。戦いの中から何かを学び取ろうとしているのだろうか。

ネコのしなやかな動きを見ながら、俺は考えた。

そしてある考えに至る。

「もしかするとこのネコは、かの有名なニャンコ先生?*

俺の心は高鳴った。

しかし、ネコは最後まで木に登る素振りすら見せず、二足歩行もしようとしなかった。

まことに残念である。

ちなみに今日の夕飯は秋刀魚だった。焼き過ぎてしまって黒かった。──おわり』

イルカは筆を置いた。

「カカシ先生、何でネコと戦ってたんです?」

「見られてたんですか。ちょっと遊んでやろうと思ったら、白熱してしまって」

ネコと本気で戯れる大人・はたけカカシ。

俺の日記は、きっとカカシ先生の事でいっぱいになるんだろうな。

イルカはそんな事を思いながら、日記帳を閉じたのだった。


*ニャンコ先生……空中で三回転する技を体得した、人語を喋る凄きネコ

2004.12.21

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