親睦会
「ただいま」 明りのついた自分の部屋に帰るのは不思議なものだ。 イルカはそう思いながら靴を脱いだ。 居間ではカカシが寝転がって本を読んでいた。 「おかえりなさい」 「はい」 少々疲れ気味だったイルカは、自分の部屋に帰ってきて、やっと一息ついた気がした。 「今日、遅かったですね」 「合コン行ってました。人数足りないって言われましてね」 ガバリと上半身を起こし、カカシは目を見開いて口をポカンと開ける。 「い……イルカ先生に捨てられるカウントダウン開始!?」 「人の話を聞け。人数合わせだって言ったでしょうが」 「笑顔の大盤振る舞いして……そんなに女が良いんですか!?」 口を覆う左手が震えている。 「いや……あの、俺は基本的にノーマルですよ?」 「今明かされる真実!」 「……前から、あなたとは一度決着をつけなければならないと思ってたんですよ」 人の嗜好を捻じ曲げるな。 イルカの視線がそう告げていた。 「いいんだ……俺は健気にイルカ先生の帰りを待つんだ」 「いや……だから人数合わせで……」 「女とお喋り楽しんできたんだ」 「男だけの合コンなんてヤバいでしょうが」 「ついでにテイクアウト希望したんだー!」 「ここにいる俺は誰でしょう?」 「希望したけど却下された悲しいイルカさん」 二人は微笑み合った。 その後、カカシが自分で夕飯の支度をせざるをえなくなったのは、言うまでもない。 2004.12.13 |